93. Dimethyl-p-phenylenediamine (DPPD)投与ラットにおける骨格筋病変の酵素組織化学的観察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ラット腹腔内にDPPDを注射し, 全身骨格筋線維の変性から再生過程を酵素組織化学的手法で観察した。注射後1〜2日目には, 骨格筋が巣状に変性や壊死に陥る。変性は主にType-I-fiberにみられ, 筋形質のSuccinic dehydrogenase (SDH)やLactate dehydrogenase (LDH)活性部が不規則な配置をとり, Adenosine triphosphatase (ATPase), Phosphorylase, Glucose-6-phosphate dehydrogenase (G-6-PDH)活性は消失する。しかし神経筋終板のAcetylcholinesterase活性はある。3〜4日目には, 再生初期像が見られるようになり, 単核で塩基好性のmyogenic cellが残存筋線維の筋鞘下に出現する。このmyogenic cellには, SDH, LDH, ATPase, Phosphorylase, G-6-PDH活性はない。5〜6日目にはmyogenic cellが融合して, 核が中央にある細長い再生筋を形成する。この幼若な再生筋には活発なRNA合成が見られるが, やはりLDH, SDH, ATPase活性は乏しい。7〜8日目には, 再生筋は成熟して巾が広くなり核も筋鞘下に見られるようになる。この成熟再生筋では, LDH, SDH, ATPase:活性が増加し, Phosphorylase活性が出現して筋線維のType I・IIが明瞭となって再生が完了する。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1978-11-01
著者
関連論文
- 77. Paradoxical Concanavalin A Staining : 胃粘液組織化学への応用
- 膀胱上皮内癌症例の解析 : 第55回東部総会 : シンポジウムII : 膀胱上皮内癌の治療
- 93. Dimethyl-p-phenylenediamine (DPPD)投与ラットにおける骨格筋病変の酵素組織化学的観察