82. ニワトリ卵管の免疫組織化学的研究
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概要
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卵白の主成分であるovalbumin・lysozymeやovomucoidなどが、卵管膨大部で分泌されることはすでに明らかにされている。我々は、GMA-Quetol523包埋法を用い、卵管膨大部タンパク腺について免疫組織化学的方法によって検討したので報告する。排卵された卵が卵管の各部(膨大部・峡部・子宮部・膣部)を通過中に卵管をとり出し、酢酸アルコール, ホルマリン-アルコールで固定後、GMA-Quetol523混合液に包埋した。ガラスナイフで薄切した切片(1〜2μ)を、抗ovalbumin, 抗ovomucoidおよびlysozyme抗体を用いた螢光抗体法および酵素抗体法直接法により染色を施した。その結果、従来のパラフィン切片では不明瞭であった分泌顆粒の形態を明瞭に観察する事が可能であり、これら3種の分泌顆粒を明瞭に区別することができた。また、タンパク腺の分泌機能が、卵の卵管内通過と明瞭な相関があることを確認した。すなわち、 ovalbuminの大部分は、卵の通過前に分泌され卵管腔に蓄積されるが、 lysozymeは、卵の通過前から通過後にわたって分泌されることを観察した。また、同一タンパク腺が異なったタンパク質を産生すると思われる所見も得られた。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1978-11-01
著者
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