2. マイスネル小体の組織化学(II) : アセチルコリンエステラーゼ活性の電顕組織化学的検索
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概要
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マウス足指にみられるマイスネル小体のアセチルコリンエステラーゼ(AchE)の活性をKarnovsky法(1964)を用いて電顕的に検索し、一部Koelle法(1949)も合せて観察に用いた。マイスネル小体はほぼ楕円体をした神経終末と、それをたまねぎ状に囲む数層の層板(層板細胞の長い細胞質突起)からなっている。層板には多数のcaveolaeがあることが特徴である。AchE活性はKarnovsky法、Koelle法ともに神経終末と層板との間隙、層板と層板の間、及び層板のcaveolaeの中に検出された。これらの活性はEserine(1×10^<-4>M)で完全に阻害された。層板間隙、及びcaveolae内の活性の強さはマイスネル小体の辺縁から中心の神経終末に近ずくに従って強くなる傾向にあった。神経終末内部には、はっきりしたAchE活性を持つOrganelleはみられなかった。一方層板細胞の核膜腔、粗面小胞体槽の中にAchE活性が認められた。このことはAchEが層板細胞によって産生されることを示しているものと推定される。層板細胞のゴルジ体にも時にAchE活性がみられた。層板細胞で作られたAchEは何らかの機構で細胞内を層板のcaveolaeまで運ばれ、caveolaeから層板間隙に出されるものと考えられる。神経終末と層板の間隙には常に強いAchE活性がみられるが、知覚神経終末におけるAchE活性の意義については今後の研究課題である。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1978-11-01
著者
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