63. 唾液腺開口分泌に伴う5'-Nucleotidase活性局在の変動
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概要
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5'-Nucleotidaseは一般に細胞膜の標識酵素とされているが, 最近この電顕的証明法に関する精細な報告が発表された(Uusitaloら, 1977)ためこの追試を兼て同活性が唾液腺開口分泌に伴う細胞膜の形態変化に応じてどの様に変動するかを検討した。ラットにIsoprotererol投与後4時間まで経時的に耳下腺, 顎下腺を採取し, 1%グルタールアルデヒド(カコジル酸緩衝液pH7.2)で1時間固定, 原法に従って37℃30分反応させた他, 基質をβ-グリセロリン酸に変えたものでも試験した。結果 ; 生化学的測定の結果この固定により5'AMPを基質とするホスファターゼ活性は約20%残存し原法で推奨するトリス緩衝液(pH6.0)で行っても大差なかった。本酵素活性は両腺共に腺房細胞の管腔に面した細胞膜と筋上皮細胞膜に認められたが, 後者の活性はβ-グリセロ燐酸によっても同様なので非特異的活性であろう。分泌刺激群では, 活性産物は開口分泌して不整形を呈した細胞膜にも発現した。本来の分泌顆粒膜には証明されなかったことからこの所見は膜内蛋白質の流動拡散の結果を示すものと考えられる。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1977-10-20
著者
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