50. ラット唾液腺導管上皮における5′-Nucleotidase活性の局在。
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概要
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昨年度の本学会においてラット唾液腺腺房細胞の形質膜に5′-Nucleotidase (AMPase)が分布しこれは非特異的Alkalinephosphataseと弁別できるものであることを報告した。今回は唾液腺導管部上皮細胞についてAMPaseの局在を電顕組織化学的に考察を試みた。1%グルタ-ル前固定, 改変ゴモリ法(Uusitaloら, 1977)にて37℃30分浸漬, 常法により電顕標本を作製, 観察を行った。顎下腺の導管部は介在部, 顆粒部, 線条部, 排出部導管が配列する。AMPaseの活性はこれらの上皮細胞の管腔側形質膜に、局在している。ただし介在部細胞では側方, 基底側形質膜にも一様に分布するがこの部位にはAlk-Paseの存在も知られているため必ずしもAMPaseのみに由米するとは断定できない。排出部導管に附随して基底細胞の存在が認められているが, この細胞では形質膜に一様に反応産物が分布している。この事実は同酵素活性の生理機能と結びつけて考える時興味深いものである。耳下腺導管部上皮細胞でも同様に管腔側形質膜に特異的に発現する。以上よりAMPase活性は導管部細胞の機能を解析する際にも有用な標識酵素となる。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1978-11-01
著者
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