41. ヘモクロマトージスに関する実験的研究 : 鉄投与による糖尿病発症について
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概要
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ヘモクロマトージス(H・C)は鉄の異常沈着を起こす疾患でしばしば糖尿病を来す。然し鉄の多量かつ長期投与によって動物にH・Cを起させようとする試みは成功しなかった。我々はラットにFe-Nitrilotriacetic Acid (Fe-NTA)を腹腔内連日注射する事により、人のH・Cに類似した疾患を起す事が出来た。生後3週間のウイスターラットにFe-NTAを鉄量で0.2mg/100gB.W. 3週間後0.6mg更にその後1.0mKを与えた。注射開始60日頃より注射ラット全部に尿糖を認め、血糖の上昇及び血中、尿中にアセトン体を認めた。一夜餌を徐いた後糖負荷曲後の血中インシュリン量は対照群ラットに比し著しい低値かつ平担型を示した。注射後3ケ月の臓器パラフイン切片でHE、鉄染色及びマロリー染色の検索を行った。肝では肝細胞内に強い顆粒状の鉄沈着が認められたが星細胞内えの沈着は少く、人のH・Cのそれに似た分布を示したが線維化は認められなかった。膵では外分泌腺のアチヌスに面して強い鉄顆粒の沈着を認めた。ラ氏島中心部のβ-cellと思われる細胞に鉄の沈着が認められた。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1977-10-20
著者
-
粟井 通泰
Department Of Pathology Faculty Of Medicine:okayama University
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山ノ井 康弘
岡山大・医・一病理
-
粟井 通泰
岡大・医・一病理
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楢崎 幹雄
岡大・医・一病理
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山ノ井 康弘
岡大・医・一病理
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妹尾 左知丸
岡大・医・一病理
-
妹尾 左知丸
重井医学研究所
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