関係性の観点から見た女子青年のアイデンティティ探求 : 2年間の変化とその要因
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,女子青年のアイデンティティ探求における関係性のレベルを縦断的に検討し,関係性のレベルの変化に関わる要因を明らかにすることであった。女子大学生31名に対して,Ego Identity Interviewを拡張した面接を,3つの時点(3年生前期・4年生前期・4年生後期)で実施した。領域は,職業,友情,デート,性役割の4つであった。職業,友情,デートの3つの領域において高レベルの関係性への有意な移行が示されたが,性役割においては有意な変化は示されず,低レベルヘ移行した者が高レベルヘ移行した者を上回った。変化の要因については,「就職活動・職業決定」が最も多く,高レベルヘの移行と低レベルヘの移行に共通に報告された。また,「友人・恋人との関係の変化」が,高レベルヘの移行に顕著に見られた。本研究の結果は,アイデンティティにおける関係性の側面を重視する最近の動向を支持するとともに,関係性の観点から見たアイデンティティ形成のプロセスについていくつかの実証的な証拠を提出した。
- 日本発達心理学会の論文
- 2001-07-15
著者
関連論文
- アメリカ青年心理学会に参加して(海外の青年心理学会,準備委員会企画報告会)
- ペア相談と学生の主体性を取り入れた大学でのピア・サポート活動 : 名古屋大学における実践を通して
- 意見 学業の行き詰まりをアイデンティティ形成から読み解く--田中論文へのコメント
- 大学から社会への移行 : 大学生の就職に関わる条件は何か
- 名古屋大学における学生が学生を支えるしくみ
- 名古屋大学における学修支援の現状と課題
- 名古屋大学における現代学生の対人関係について
- 名古屋大学における不登校の現状と対応
- [名古屋大学]学生相談総合センターにおける研究のこれまでとこれから--学生相談総合センター舵とりシンポジウム
- 大学生、大学院生の広汎性発達障害圏の人の病理と彼らへの対応を考える
- 大学から社会への移行問題--初年次教育からのキャリア支援の方向性を探る
- 関係性の観点から見た女子青年のアイデンティティ探究 : 2年間の縦断研究(教育心理学関係博士論文要旨)
- 第8回(2000年)大会 研究委員会企画シンポジウム : 多発する中学生の問題行動をどうとらえるか : 青年心理学徒として何ができるか
- 女子青年における「再構成された母親との関係」と「母親との関係の再構成」 : 山岸論文へのコメント
- 関係性の観点から見た女子青年のアイデンティティ探求 : 2年間の変化とその要因
- 佐藤論文へのコメント
- アイデンティティ形成における性差の諸問題(青年研究において性差はどこまで考慮すべきなのか)