難治性腹水に対して,腹水濾過透析とHDFの併用療法を試みた肝硬変・肝癌を合併する腎不全患者の一症例
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概要
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症例は66歳男性.肝硬変・肝癌を合併し大量の腹水を有する慢性腎不全の患者で,平成13年10月から透析を導入した.しかし,透析中に血圧が低下するため,11月から腹水濾過とHDFの併用療法(方法1)を試みた.血圧は安定したが,発熱するため腹水濾過透析とHDFの併用療法(方法2)を試みたところ,血圧低下も発熱もなく良好な経過を得た.方法1と2の開始1時間後のIL-6濃度は,腹水が14,200pg/mlと19,300pg/ml,動脈血が269pg/mlと248pg/ml,静脈血が692pg/mlと496pg/mlであった.腹水中の蛋白を体循環へ再利用できるうえにIL-6の除去効果が大きい方法2は,肝癌を合併する腹水貯留腎不全の患者の透析に有用である.
- 日本アフェレシス学会の論文
- 2003-02-28
著者
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水野 雅之
大阪府済生会吹田病院消化器内科
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矢崎 晃広
大阪府済生会吹田病院 内科
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松田 尚史
大阪府済生会吹田病院 内科
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水野 雅之
大阪府済生会吹田病院 内科
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川越 佳明
大阪府済生会吹田病院人工透析室
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