喀痰検診発見肺癌例の診断と治療における問題点
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概要
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1985年から1988年までの4年間に喀痰検診で発見された57例の肺癌例を対象として診断と治療上の問題点を検討した.胸部X線有所見例は21例で,無所見例は36例であった.胸部X線有所見21例中9例は,検診時間接X線写真での見落とし例であった.従って喀痰細胞診により,胸部X線上見逃され易い所見を有する肺癌が少なからず発見されていることが知られた.胸部X線無所見例中14例は気管支鏡的にも無所見で,そのうち7例が検査の途中で治療を拒否して退院した.気管支鏡無所見例のほとんどは末梢型早期気管支扁平上皮癌であった.切除標本により早期気管支扁平上皮癌と確定した症例は23例あり,その術後5年生存率を術前肺機能の程度別にみると,肺機能正常例では100%,%VCあるいは1秒率が60%に満たない低肺機能例では35%であった.従って低肺機能早期気管支扁平上皮癌の手術適応には注意すべきである.
- 日本肺癌学会の論文
- 1991-04-20
著者
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小川 功
茨城西南医療センター病院外科
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鬼塚 正孝
筑波大学臨床医学系外科
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三井 清文
筑波大学臨床医学系外科
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柳内 登
国立療養所晴嵐荘病院
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柳内 登
結核療法研究協議会外科的療法科会
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長谷川 鎮雄
筑波大学臨床医学系内科
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木下 朋雄
筑波大学付属病院呼吸器外科
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中川 晴夫
日立製作所身と総合病院外科
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赤荻 栄一
筑波大学臨床医学系
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赤荻 栄一
(財)茨城県総合健診協会
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中川 晴夫
中川医院
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鬼塚 正孝
筑波大学臨床医学系呼吸器外科
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鬼塚 正孝
筑波大学臨床医学系
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唐沢 和夫
国立療養所晴嵐荘病院外科
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小川 功
猿島協同病院外科
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渕上 隆
協和中央病院検診センター
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藤原 明
筑波大学付属病院呼吸器外科
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湯浅 洋司
筑波大学付属病院呼吸器外科
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唐沢 和夫
国立療養所晴嵐病院外科:(現)愛知がんセンター病院
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渕上 隆
県西総合病院呼吸器外科
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中川 晴夫
日立製作所水戸総合病院外科
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三井 清文
筑波大学臨床医学系 外科
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長谷川 鎮雄
筑波大学臨床医学系,内科
関連論文
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