広汎な表層進展を呈した胸部 X 線無所見気管支扁平上皮癌の 1 例

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概要

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症例は69歳, 男性。喀痰細胞診による肺癌集検にて扁平上皮癌と診断された。胸部X線写真無所見であった。気管支鏡検査にて右B^7入口部に腫瘤を認めた。また, その中枢側には連続した表層浸潤型の病変を認めた。右中下葉切除術を施行したが, 術中迅速組織診にて中間気管支の断端に癌の遺残を確認したため, 主気管支を3 ring切りたして気管支形成術を行った。切除標本を検索すると, 右B^7をほぼ閉塞する結節性の病変と, 中枢に向かって主気管支まで広汎に進展する上皮内癌が併存していた。腫瘍の長軸方向への進展距離は51mmであった。本例は従来の肉眼型分類における, 結節浸潤型, 表層浸潤型の形態を併せ持った混合型(特殊型)と考えられた。本例は病変の中枢端と思われた部位よりも中枢に, 肉眼的にほとんど正常粘膜との差異を認めない病変が存在し, このような症例では切除線決定のため, 術中迅速組織診が必要不可欠であると思われた。
1991-09-25

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