S^3, 4, 5と残部で2葉を形成する左肺分葉異常を術前に診断し得た肺硬化性血管腫の一例

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概要

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術前に気管支分岐, 分葉異常の存在を評価した肺硬化性血管腫の一手術症例を報告する.症例は47才の女性, 気管支造影で, 左B^<l+2>とB^3+B^<4,5>が各々主気管支より分岐する分岐異常を認めた.気管支分岐異常と分葉との関係を確認するため胸腔造影を施行した.左肺はS^<3,4,5>とS^<1+2, 6, 8, 9, 10>に2分葉し, 腫瘍はS^5から葉間に向けて膨隆していることが示唆された.腫瘤が存在するS^<3,4,5>の異常分葉を切除した.腫瘍は境界明瞭で固く出血を伴い, 組織学的に典型的な肺硬化性血管腫であった.免疫組織学的にサーファクタント・アポプロテイン陽性細胞が確認され, 腫瘍の発生にII型肺胞上皮細胞が関与していることが示唆された.本症例では, 気管支分岐異常を伴うきわめて稀な分葉異常と異常分葉に存在する腫瘤の発育様式を術前に評価可能であった.
1992-08-20

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