肺癌における細胞性免疫応答の検討 : リンパ球亜群の解析を中心に
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
原発性肺癌55例の細胞性免疫能を,PPD皮内反応,リンパ球幼若化反応,Tリンパ球亜群の比率から検討した.IV期においてPPD皮内反応とPHA・ConAリンパ球幼若化反応の低下(p<0.05)とOKT4,OKT4/OKT8の低下(p<0,025)とOKT8の増加(p<0.05)を認めたが,組織型による差はなかった.B.I.1,000以上の重喫煙群ではIV期と同様な不細胞亜群の変化(p<0.05)が認められた.治療による変化としてOKT3,OKT4,OKT4/0KT8の低下と,OKT8,OKIalの増加傾向を認めた.以上の成績よつW期進行肺癌の細胞性免疫能は低下しており,その機序の1つにヘルパー不細胞の低下とサプレッサーT細胞の増加の関与が示唆された.さらに,化学療法や放射線療法が,担癌患者の不細胞亜群に影響を与え,生体の感染防御能の低下が示唆された.肺癌患者の免疫応答を評価する上で,リンパ球亜群の検討は有用なパラメーターと考えられた.
- 日本肺癌学会の論文
- 1988-10-20
著者
-
千田 金吾
浜松医科大学第2内科
-
佐藤 篤彦
浜松医科大学第二内科
-
岩田 政敏
浜松医科大学第二内科
-
佐藤 篤彦
浜松医科大学 第2内科
-
秋山 仁一郎
浜松医科大学第二内科および協力施設
-
谷口 正実
浜松医科大学第2内科および関連施設
-
岡野 博一
浜松医科大学第2内科および関連施設
-
岡野 昌彦
浜松医科大学第2内科および関連施設
-
岩田 政敏
浜松医科大学第2内科
-
岩田 政敏
東京専売病院
-
秋山 仁一郎
浜松医科大学第二内科
-
本田 和徳
浜松医大第2内科
-
岡野 昌彦
浜松医科大学第2内科
-
本田 和徳
浜松医科大学第二内科
-
谷口 正実
浜松医科大学第2内科
-
千田 金吾
浜松医科大学 呼吸器内科
-
本田 和徳
市立静岡病院呼吸器科
-
秋山 仁一郎
浜松医科大学第2内科
関連論文
- シベレスタットの併用が有効であったニューモシスチス肺炎による重症呼吸不全の1例
- 慢性気道感染症に対するgrepafloxacinとofloxacinの二重盲検比較試験
- 慢性気道感染症に対するgrepafloxacinの用量比較試験
- PO7-2 肺癌放射線化学療法後に発症しTBBで診断を得たplumonary mucormycosisの一例(炎症その他,ポスター7,第32回日本呼吸器内視鏡学会学術集会)
- 呼吸器感染症に対する pazufloxacin 注射薬の臨床第 II 相試験
- 慢性気道感染症に対するTazobactam/PiperacillinとPiperacillinの薬効比較試験成績
- 慢性気道感染症に対するgatifloxacinの用量設定試験
- 呼吸器感染症に対するgatifloxacinの後期第II相臨床試験
- 内科領域感染症に対するgatifloxacinの前期第II相臨床試験
- MS25-12 関節リウマチ(RA)に対する抗IL-6受容体抗体(MRA)治療により非結核性抗酸菌症(NTM)が増悪した1例(膠原病と類似疾患2-肺病変を中心に-,第59回日本アレルギー学会秋季学術大会)