経時的な組織亜型の進展が推測された肺腺癌の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
背景.今回我々は,経時的な組織亜型の進展が推測された肺腺癌の1例を経験したので報告する.症例.症例は40歳女性.1995年10月健康診断にて左下肺野に腫瘤を指摘されたが,確定診断できず経過観察となった.2000年4月に腫瘤の増大を認め,精査したところbronchioloalveolar carcinoma(mucinous type)と診断された.左肺下葉切除,ND1郭清を施行し,病理組織学的に(1)bronchioloalveolar carcinoma(mucinous type,without stromal invasion),(2)papillary adenocarcinomaが隣接してみられ,H.E染色で(1)と(2)は移行像を呈していた.免疫染色でp53とbcl-2は(1),(2)ともに陰性で,Ki-67とPCNAではいずれも(1)は約2割が染色されたが,(1)と(2)の移行部は染色部が強くなり,(2)は約8割が染色された.EVG染色で(1)は弾性線維が保たれているが,(2)は弾性線維の断列を認めた.結論.本例はbronchioloalveolar carcinomaがpapillay adenocarcinomaに進展した興味深い1例と考えられたので報告する.
- 日本肺癌学会の論文
- 2002-03-14
著者
-
安達 勝利
公立豊岡病院 心臓血管呼吸器外科
-
高尾 仁二
公立豊岡病院呼吸器科
-
保坂 直樹
公立豊岡病院臨床病理科
-
田村 邦宣
公立豊岡病院呼吸器科
-
保坂 直樹
公立豊岡病院 形成外科
-
三村 令児
公立豊岡病院放射線科
-
松尾 寿保
三重大学胸部外科
関連論文
- Rosette-forming thymomaの捺印細胞像の1例
- 男性に発症した甲状腺MALTリンパ腫の一例
- Anaplastic large cell lymphoma と結節硬化型Hodgkin病の2例 : リンパ節腫瘍細胞像の比較
- 真の肺原発癌肉腫の2切除例
- 下顎骨内に発生した悪性末梢神経鞘腫瘍例
- 原発性肺粘表皮癌の臨床病理学的検討
- 左室粘液腫を合併した肺癌の1例
- ESWL(体外衝撃波結石破砕術)が原因と考えられた腹部大動脈仮性瘤の1治験例
- 術後長期生存中の心膜及び右肺上葉に浸潤した胸腺未分化癌の1手術例
- 115 子宮頸部細胞診にて発見した悪性リンパ腫の一例(子宮頸部 5)
- 199 骨化生及び扁平上皮化生を伴う乳腺悪性腫瘍の一例
- 十二指腸2部の出血にて発症した低分化型膵腺房細胞癌の1例
- 経時的な組織亜型の進展が推測された肺腺癌の1例
- P-58 当科における胸腺癌3例についての検討
- J-21 肺癌に合併した左室粘液腫の1例
- P-174 心嚢及び右肺上葉に浸潤を来した胸腺未分化癌の1例(示説,胸腺腫,第40回日本肺癌学会総会号)
- 胃結核を合併した胃癌の1例
- O111 木村病発症後高IgE症候群を併発した1幼児例
- Malignant Peripheral Nerve Sheath Tumor of the Mandible