同一肺葉内に同時性肺多発癌と肺過誤腫とを合併した一例

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
:近年,肺癌の診断・治療技術の進歩により,同時性および異時性肺多発癌は稀れではなくなってきた.しかし,同一肺葉内肺多発癌は比較的稀れであり,更に良性腫瘍が混在した場合,その診断は非常に困難である.今回我々は左下葉に3個の腫瘤影を認め,同時性肺多発癌(腺癌,扁平上皮癌)および肺過誤腫であった一手術例を経験した.症例は72才,男性.胸部X線上,左S^6に1個,およびS^<10>に2個の腫瘤影が認められた.手術により,各々扁平上皮癌,腺癌および肺過誤腫の診断が得られ,リンパ節転移,遠隔転移は認められなかった.肺の多発腫瘤影に対しては一つ一つの腫瘤に対して細胞診もしくは組織診を得る努力が必要である.また,肺過誤腫には肺癌の合併率が高いとする報告もあるが,その検討のためには今後多施設における症例の集積が必要であると思われた.
日本肺癌学会の論文
1992-10-20

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク