アミラーゼ産生肺癌の1例
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概要
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症例は,73歳男性,平成6年1月ころより咳,発凱を認め,胸部単純撮影にて左下肺野に肺炎様の異常陰影を指摘され,抗生物質にて治療を行っていたが改善せず,喀痰細胞診にて腺癌を認めた.血液生化学検査にて血清アミラーゼ値は,1,693IU/1(S83.6%,P16.4%)と高値を示していたが,膵炎および唾液腺疾患を示唆する所見は,得られなかった.StageIIIAと診断し左下葉切除術およびリンパ節郭清を行った.手術終了後,血清アミラーゼ値は,209IU/1と正常値となった.組織所見は未分化腺癌,乳頭型,一部腺管型であった.抗唾液腺型アミラーゼ抗体免疫組織染色によりほぼ全体の腺癌細胞の胞体が染色され,アミラーゼ産生腫瘍と判定された.唾液腺型優位の高アミラーゼ血症は悪性腫瘍の存在の可能性が高いことを考膚すベきと思われた.
- 1997-06-20
著者
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佐々木 正人
福井大学医学部器官制御医学講座外科学2
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村岡 隆介
福井医科大学第二外科
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千葉 幸夫
福井医科大学第2外科
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井隼 彰夫
福井医科大学第2外科
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山本 誠
福井厚生病院内科
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佐々木 正人
福井医科大学第2外科
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平松 義規
福井医科大学第2外科
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村岡 隆介
福井医科大学第2外科
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千葉 幸夫
福井医科大学手術部
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平松 義規
国立中部病院 呼吸器外科
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村岡 隆介
福井医科大学救急部
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