原発性非小細胞肺癌におけるBcl-2蛋白発現に関する検討

概要

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原発性非小細胞肺癌におけるBcl-2(B cell lymphoma/leukemia 2)遺伝子蛋白の発現について免疫組織学的に検討した.Bcl-2の発現は, 腺癌7/107例(6.5%), 扁平上皮癌17/58例(29.3%), 腺扁平上皮癌0/23例(0%), 大細胞癌1/11例(9.1%), 腺様嚢胞癌1/1例(100%)に認められ, 扁平上皮癌は腺癌, 腺扁平上皮癌に比べ有意に高発現を示した(P<0.001,P<0.005).また臨床病理学的諸因子では, 腫瘍の局在が肺門型の群(hilarv.s.peripheral, P<0.05), 進行病期の早い群(I+II v.s. III+IV, P<0.05)に有意に高率に発現し, 発現陽性群は陰性群に比し予後良好の傾向があった(P<0.1).また進行病期I-II期の扁平上皮癌の検討でも陽性群は陰性群に比し有意に予後良好であった(P<0.04).肺癌におけるBcl-2蛋白の発現は, 癌進展の比較的初期に関わり, 扁平上皮癌の予後因子である可能性が示唆された.
日本肺癌学会の論文
1995-12-20