12.著明な胸水を認めたMesothelioma一部検例 : 第32回支部活動 : 九州支部
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概要
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患者は68才の女性.主訴は呼吸困難.現病歴は1971年6月末頃,道路で転倒し,右胸部を打撲した.胸痛,呼吸困難はあったが,発熱,咳嚇はなかった.近医で肋膜炎といわれ,7月24日に成人病院(鹿児島市)に入院.9月19日に国立鹿児島病院に転院した.入院時,呼吸困難が著明で顔面やや浮腫状,右肺は呼吸音を聴取できず,腹部では肝を3横指触知,胸部X線像で右肺に胸水の貯溜を思わせる陰影あり,穿刺にて血性胸水を認めた.胸水の細胞診にて悪性腫瘍細胞を認めて,癌性肋膜炎と診断した.また胃透視で粘膜下腫瘍を思わせる所見を得た.治療として,酸素吸入,強心剤,利尿剤の投与,胸水排液などを実施したが,次第に全身衰弱著明となり,11月16日死亡した.剖検により中皮腫(癌性胸膜炎,癌性腹膜炎)とわかり,肝,肺に車云移していた.胃の粘膜下腫瘍は組織学的に膠様腺のう腫であった.
- 1973-12-25
著者
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