IIIA期非小細胞肺癌の手術成績と術後補助療法の意義

概要

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1976年から1991年までのIIIA期非小細胞肺癌切除例は173例であった.手術根治度は絶対的治癒切除3例,相対的治癒切除103例,相対的非治癒切除41例,絶対的非治癒切除26例で・相治例は相非・絶非例に比し有意に予後良好であった.なお同時期のperformance status 0〜2のIIIA期非小細胞肺癌非切除例の82例の予後は切除例に比し有意に不良であった.切除例において手術根治度別に術後の化学療法,放射線療法の有無による予後には,有意差はなかった.また相治例,相非例をpT_<1,2>N_2, pT_3N_<0,1>, pT_3N_2の3群に分け,術後補助療法の有無による予後を検討したが有意差はなかった.しかし,再発形式ではpT_<1,2>N_2群では遠隔転移が,pT_3N_<0,1>群では局所再発か多い傾向がみられた.現時点では補助療法による有意な予後の違いを見出せなかったが,今後の補助療法としては,N_2症例には全身療法を,T_3症例には局所制御を目的とした治療を優先する方がよいと考える.
日本肺癌学会の論文