腫瘍容積8cm^3以下小型非小細胞肺癌における核DNA量の検討

概要

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腫瘍容積8cm^3以下の小型非小細胞肺癌の核DNA量をflow cytometryにより求めた.対象62例中, aneuploidは24例 39%に認められたがその出現頻度と病理病期, N因子, P因子, 肺内転移, 脈管侵襲及び分化度の間に相関はなかった.5年生存率はdiploid38例;67%, aneuploid24例;40%となり後者に予後不良の傾向が見られた(p=0.83).小型肺癌を上記病理学的各事項に基づきDNA ploidyパターン別予後の比較を行った結果, 有意差のみられた項目は治癒切除施行例で脈管侵襲が陰性であった23例における検討のみであった.即ちdiploidは14例存在し, その5年率は93%であったのに比し, aneuploid9例は44%となり, aneuploidの予後は明らかに不良であった(p<0.05).以上より, 核DNA量は病理学的事項から独立した因子であり, aneuploidは治癒切除+脈管侵襲陰性例における予後不良因子であるという事実が判明した.
日本肺癌学会の論文
1993-08-20