グリーンの積分方程式による散乱音場の解析

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概要

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音場の計算には音跡追跡法がよく用いられてきたが、回折効果を無視しているため適用範囲に限界がある。本報告では、グリーンの積分方程式を用いてWKB法や等価レンズによる音線追跡法に回折効果を導入するWKB近似及び等価レンズ近似を提案し、従来より知られているBorn近似を加えたこれら三つの近似解析法について計算精度及び有効性を定量的に評価している。特に、散乱体内部の音場を入射音場で近似するBorn近似では散乱体のサイズ及び周囲媒質との音速差が増大し、散乱体による位相変動量が大きくなると急激に誤差が増えるのに対し、屈折による振幅及び位相変動を考慮に入れた等価レンズ近似では広い範囲で散乱音場を推定できることを示している。また、これらの結果は音場解析における順及び逆問題へどのように反映されるかについても言及している。
社団法人日本音響学会の論文
1994-08-01

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