アミノ配糖体抗生物質投与の腎毒性の電顕的観察
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概要
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新しく開発されたアミノ配糖体抗生物質Sisomicinの腎毒性について検討した。実験は体重200〜250gの約50匹のWistar系ラットを使用した。Sisomicin投与時の近位尿細管上皮の障害過程および回復過程について光学および電子顕微鏡にて観察、また生化学的検査も施行した。実験動物は最初の3日間は脱水状態にて飼育し、その後は自由に水分を摂取させた。Sisomicin 60および100mg/kg/day 7日間連続筋注した。動物は注射後、3、7、12日目に屠殺して近位尿細管上皮の障害過程を調べ、また回復過程を調べるため筋注中止後2、3、4週目に屠殺した。対照群として、Ceft-izoxime800および1,200mg/kg/day腹腔内注射をして同様の実験を行った。すべてのアミノ配糖体抗生物質投与時に近位尿細管上皮に出現する、きわめて特徴的な電顕像はミエリン様小体myeloid bodyの出現である。ミエリン様小体はAmphiphilicあるいはCationic Amphiphilic薬剤投与時にも出現することが指摘されている。ミエリン様小体の形成および変性過程について電顕的観察を行った。
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
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