先天性腎尿路疾患のスクリーニングとしての3ヵ月児腎臓超音波検診の意義と問題点
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概要
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(目的・対象)従来行われてきた検尿検診では発見率が低いとされる先天性腎尿路疾患の早期発見,早期治療を目的として,3799人の3ヵ月児を対象に,腎臓超音波検診を行った.(結果)一次検診受診者のうち139人(3.7%)が要二次検診と判断され,その所見は,CECの解離が大半(91%)を占めた.二次検診受診者135人のうち33人(24.4%)(一次検診受診者の0.9%)に腎尿路疾患を認めた.疾患の内訳は,VURが17例(25腎尿管)と最も多く,その他水腎症10例,腎無形成2例,矮小腎2例,尿管瘤2例,馬蹄腎1例,巨大尿管症1例,軽度拡張尿管1例であった(重複有り).VURのl0腎尿管(40%)は,一次検診で異常を認めなかった側に発見された.「腎盂拡大」(軽度の腎盂の拡大を認めるが腎杯の拡張所見を認めない)を78人に認め,男児の左側の頻度が高かった.経過観察中,尿路感染症をVURの5例と異所性尿管瘤の1例に認めた.発見されたVURの44%は,その後自然消失した.外科的治療をVUR4例,尿管瘤2例の計6例に対して行った.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1998-04-20
著者
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