Peyronie's diseaseの長期臨床経過 : 保存的療法施行例における検討

概要

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(背景と目的)Peyronie's diseaseの自然史を知り,適切な手術療法を行う時期を決めるにあたり,保存的療法により経過観察したPeyrcmie's diseaseの症例の症状の推移を検討した。(対象と方法)対象は,保存的療法により経過観察したPeyrcmie's diseaseの患者10例である。患者の平均年齢は50.7歳,平均観察期間は36.8ヵ月であった。これらの症例に対して硬結の大きさ,弯曲,疼痛,勃起障害についての経時的推移を検討した。(結果)初診時勃起障害を有する症例では,勃起障害を有さない例と比較し,初診時の硬結面積が有意に大きく(p<0.05),初診時の勃起障害の有無と硬結面積の大きさとの間には関連性が認められた。初診時の硬結面積と弯曲の有無および疼痛の有無との間には有意な差は認められなかった。硬結の面積は,経過とともに初診時より有意に縮小する傾向が認められた(p<0.05)。しかし,弯曲,疼痛,勃起障害などの症状は,弯曲が10例中1例が改善を認めたにすぎず,疼痛,勃起障害に関しては経過観察中改善した症例は認めなかった。(結論)保存的療法による経過観察で硬結はある程度縮小するものの,弯曲,疼痛,勃起障害などの改善は観察後6ヵ月以降はほとんど認めなかった。従来の手術療法を行う場合,12ヶ月以上にわたって経過観察することが多いが,今回の検討から手術療法までの観察期間を短縮しうる可能性もあると思われた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1997-05-20

Peyronie's diseaseの長期臨床経過 : 保存的療法施行例における検討

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