抗アンドロゲン剤投与の性機能障害に対する塩酸インデロキサジンの予防効果

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抗アンドロゲン剤であるアリノレエストレノールの副作用の一つ,性機能障害に対する塩酸インデロキサジンの予防効果について検討を行った.対象は本検討について十分な説明を行い,同意の得られた未治療の前立腺肥大症患者36例(平均66.9±5.5歳)であり,封筒法を用いて,アリルエストレノール単独投与群,塩酸インデロキサジン併用投与群の2群に振り分けた.性機能の評価は,札幌医大式質問紙の質問項目のうち,早朝勃起,勃起能(陰茎硬度と勃起持続時間の合計点),性交回数を用いて自覚的性機能の変動を,夜間睡眠時の陰茎周最大増加値を用いて他覚的な性機能変動を,さらに性機能関連ホルモンとして血中LH,total testosteroneそしてfree testosterone値の測定を,投与前,投与後4週,12週目に検討した.その結果,アリルエストレノール単独投与群で認められた自,他覚的な性機能低下は,塩酸インデロキサジン併用投与群では認められなかった.その一方で血中ホルモン値は両群ともほぼ同様に推移した.今回の結果から,塩酸インデロキサジンはアリルエストレノール投与に伴う性機能低下を予防し得るものと思われた.その機序は,塩酸インデロキサジンの薬理作用から,脳内ドーパミン濃度の増加が関与している可能性が考えられた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1995-05-20

抗アンドロゲン剤投与の性機能障害に対する塩酸インデロキサジンの予防効果

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