Human T-Lymphotropic Virus Type I : Associated Myelopathy(HAM)による神経因性膀胱の検討
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概要
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HAMによる神経因性膀胱の病態を知り円滑な治療を行う目的で未治療のHAM患者50名について尿流動態検査を中心として泌尿器科的検討を行った.HAMの排尿障害は自覚症状としては刺激症状と閉塞症状が混在していた.また38%の症例では排尿障害が自覚症状のすべてであるという時期を経験していた.蓄尿期の排尿筋過活動が58%の症例に認められ頻尿の主因となっていた.また多量の残尿の存在による有効膀胱容量の減少も頻尿に関与していると考えられた.排尿期の排尿筋外括約筋協調不全は56%の症例で明らかであり,排尿困難の主因となっていた.排尿筋の低活動が排尿困難の原因となっている症例も存在した.水腎は5腎に認められただけであったが,膀胱変形は46例中30例(65.2%)に認められた.尿路感染は初診時34%にみられた.activity of daily living(ADL)の能力が低下していくほど残尿量,蓄尿期に無抑制収縮が存在する割合,排尿期に排尿筋外括約筋協調不全の存在する割合ともに増加した.内科的治療はHAMの排尿障害の自覚症状を改善するのに有効であるが他覚的にはそれだけでは十分とはいえず間歇導尿を中心とした泌尿器科的治療が必要であると考えられた.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1994-07-20
著者
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