ヒト外尿道括約筋の組織化学的検討
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概要
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ヒト外尿道括約筋(n=13)をATP-ase染色を用い組織化学的に検討した。構成している筋線維型の割合(遅筋型筋線維:35.6〜97.7%,平成65.7%,標準偏差16.6)には個体差があり,その比率と性別や年齢との問に一定の傾向を認めなかった。13例の平均筋線維径は,t検定上有意(p<0.05)に,遅筋型筋線維(15.7〜30.3um,平均22.3μm)よりも速筋型筋線維(19.2〜42.4um,平均27.8um)の方が太かった。個々の症例毎に見た場合,全男性10例は,速筋線維の方が遅筋線維よりも有意に太い結果であった。女性3例は,両筋線維型の太さに有意差のない2例と,男性症例とは逆に遅筋線維の方が,速筋線維よりも有意に太い1例であった。構成している筋線維型の比率と太さとの間に一定の傾向を認めなかった。今回の検討から,ヒト外尿道括約筋には,著しい個体差が存在する結果となった。また,女性は少なく即断できないが,性差の存在する可能性が考えられた。
- 1991-09-20
著者
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八竹 直
旭川医科大学医学部附属病院泌尿器科
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徳中 荘平
旭川医科大
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岡村 廉晴
旭川医科大
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岡村 廉晴
恵み野病院泌尿器科
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徳中 荘平
自治医科大学附属大宮医療センター泌尿器科
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八竹 直
旭川医科大学
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岡村 兼晴
旭川医科大
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