尿中遊出多形核白血球の活性酸素生成能の基礎的検討

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多彩核白血球は生体防御に不可欠の機能を持ち,尿路感染症で認められる尿中遊出多形核白血球も同様に感染防御に作用すると考えられる。そこで本研究では尿中遊出多形核白血球の機能を明らかにする目的で,特にルミノールを用いた化学発光による活性酸素生成能を中心に基礎的検討を行なった。尿路感染症患者の分離される尿中遊出多彩核白血球は,人血中多形核白血球やモルモット腹腔誘導多形核白血球と同様に刺激に応答した活性酸素生成能を有していた。更に尿中多形核白血球は血中のものに比しプライミングを受けていると考えられる応答反応もあった。しかしこのプライミング効果は時間依存性に速やかな低下が認められた。低浸透圧溶液中でのPMNの活性酸素生成能は等張の場合よりも促進していたが,同液で37℃で60分間インキュベーションした後のKRP中での活性酸素生成能は,比較群よりも抑制された。これに対し高浸透圧溶液中ではPMNの活性酸素生成能は等張の場合よりも抑制されていたが,同様にインキュベーションした後の活性酸素生成能は比較群よりも促進していた。以上の事より尿中遊出多形核白血球はほぼ正常な刺激応答を示し感染防御に有用で,特に活性酸素生成能は,尿浸透圧や尿中停滞時間によってプライミングを含む様々な影響を受ける事が明らかにされた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1991-01-20

尿中遊出多形核白血球の活性酸素生成能の基礎的検討

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