男子非淋菌性尿道炎におけるChlamydia trachomatisの検討 : ELISA法による血清IgA抗体の検出
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概要
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男子非淋菌性尿道炎(NGU)において,Chlamydia trachomatis(C.trachomatis)感染の指標として血清中の特異的IgA抗体を測定し,その有用性について検討した.C.trachomatisの分離は全例尿道擦過物とし,Hela229細胞を用いた分離培養同定法により行った.抗体測定はC.trachomatis L_2(L_2/434/Bu)株のElementary Body(EB)を単一抗原とした酵素抗体法(ELISA)で行い,同様の方法で血清IgG抗体も測定し検討した.IgA抗体陽性率はNGUのうち分離培養同定法においてC.trachomatis陽性群89.3%,陰性群22.2%,慢性非細菌性前立腺炎(NBP)群19.1%,男子健常者(control)群12.1%であり,C.trachomatis陽性群におけるIgA抗体は他の3群に比し有意(p<0.01)に高い陽性率であった.特にIgA抗体陽性率は最終感染機会より2から3週経過した時期で92.3%と高率を示し,分離培養同定法と高い陽性一致率であった.以上の結果より,血清IgA抗体は現在の感染の指標と十分なりえることが示唆された.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1988-10-20
著者
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