尿路悪性腫瘍由来培養細胞に対するヒト natural killer (NK) 細胞活性に関する研究 : 第II編尿路悪性腫瘍由来培養細胞に対する NK 細胞活性の特異性について

概要

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ヒト前立腺癌、腎腺癌由来培養細胞および、対照としてヒト慢性白血病患者由来K562細胞をそれぞれ標的細胞(target cell=TC)として、ヒト線維芽細胞由来インターフェロン-β(IFN)刺激ヒト末梢血リンパ球のnatural killer(NK)細胞活性の特異性につき検討を加えた。健康人男子のbuffy coatよりFicoll-Conray法にて分離した10^7/mlのリンパ球を、10^3IUのIFNと共に12時間培養してeffector cell(EC)とした。これをTCの単層面上で培養、洗浄をくりかえしてNK細胞を吸着、枯渇めしめ、回収した非吸着性リソバ球を用いて、^<51>Cr放出試験を行い、残存NK細胞活性およびNK細胞活性の枯渇率を算定した。また。old target inhibition assay法により、TCのtarget structure(TS)の特異性についても検討を加えた。その結果、1)われわれの用いた5種の尿路悪性腫瘍細胞およびK562細胞の細胞表面には、IFN刺激NK細胞により認識される共通のTSが表示されている。2)K562細胞には、同時にこの細胞に固有のTSが存在する。3)3種の尿路悪性腫瘍細胞にも、個々の細胞株に固有のTSが存在すると推定される。4)IFN刺激NK細胞はheterogeneousなリソバ球集団で、これらの共通のTSを認識するNK細胞や、固有のTSのみを認識するNK細胞などの集合体と推定される。
社団法人日本泌尿器科学会の論文

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