Cis-diamminedichloroplatinum (II) とその拮抗剤 Sodium Thiosulfate の組合せを用いた2経路注入法によるラット膀胱腫瘍の化学療法
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概要
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抗癌剤のcis-diamminedichloroplatinm(II)(DDP)を局所動脈内に注入し,その拮抗剤であるsodium thiosulfate(STS)を全身的に静脈内に投与するtwo route infusion法を,NH-肝癌細胞を膀胱に移植して小指頭大まで発育させた時点のラットに施し,この方法が優れた抗腫瘍性を有し,DDPによる腎毒性がSTSにより完全に防止される事が判明した。DDP 5mg/kgを単独こ動脈内投与した群,および静脈内投与の群では,すべてのラットに著しいBUN値の上昇が認められ,25%以上のラットが毒性死した。これに対して,DDPを20mg/kg動脈内注入し,1,054mg/kgのSTSを静脈内に2回投与したtwo route infusion群のラットではBUN値の上昇はみられず,かつ最も優れた抗腫瘍性がみられた。DDPはヒトの膀胱腫瘍に対して有効であり,このtwo route infusion法による化学療法が臨床に応用され,ヒト膀胱腫瘍の治療に大きな成果をもたらす事が期待される。
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
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