ヒト胎児下部尿路における神経発生の検討
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概要
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胎生5〜17週のヒト胎児下部尿路を用い,神経系組織に特異的な蛋白であるS-100 proteinをPAP法にて染色し,神経の発生の形態学的検討を行い下記の結果が得られた.1)S-100 proteinは胎生早期から認められ,神経系組織の形態学的検討に有用であった.2)下部尿路における神経は,胎生8週で陰茎部,12週で外尿道括約筋部,17週で膀胱利尿筋部にその出現をみた.3)これらは外尿道括約筋,膀胱利尿筋の筋の発生,分化とも一致した.4)胎生児の膀胱機能について胎生12週でまず蓄尿機能が,ついで17週で排尿機能が整い,一連の排尿機構が完成してくるものと推測された.以上の所見とともに下部尿路神経,筋の発生異常と腎尿路異常の関係について若干の考察を加えた.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1986-08-20
著者
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