前立腺細胞内アンドロジェン・レセプターについて : 第1編各種前立腺疾患における血清中アンドロジェン, 細胞質内アンドロジェンおよびR1881レセプターについて

概要

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各種の前立腺疾患におけるアンドロジェンの代謝ならびにアンドロジェン依存性について解明する目的で血中アンドロジェン濃度、細胞質内アンドロジェン濃度を測定し、さらに細胞質内R1881レセプターの定性的分析および定量測定を行った。その結果は血清内testostrone(T)、dihydrotestosterone(DHT)濃度については正常前立腺(T:505.6±149.0ng/dl、DHT:35.0±20.3ng/dl、M±SD)、前立腺肥大症(T:489.0±245.2ng/dl、DHT:49.6±23.1ng/dl)、未治療前立腺癌(T:523.1±238.9ng/dl、DHT:36.6±21.9ng/dl)のいずれにおいても統計学的に有意な差を認めなかった。しかしT/DHT比でみると前立腺肥大症においてT/DHT比が小さい傾向がみられ、細胞質内アンドロジェン濃度は前立腺肥大症が正常前立腺よりT、DHTの両者において高い傾向を示した。これらのことは前立腺肥大症が正常前立腺と比較して、よりアンドロジェン依存性であることを示唆している。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1984-07-20