グラム陰性桿菌の薬剤耐性について
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概要
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尿路は細菌感染をうけ易い部位として古くから注目され"UTI"の略語を生む程に特殊な領域として進歩Lてきた感染症の分野である. チフス症,細菌性赤痢は法定伝染病であるために勿論細菌の検出と同定,臨床症状から正確た診断が下されてきた. 結核症においても臨床所見,X線撮影と相俟って,菌検索,特に排菌数のチェックが重要視され,感染症の中では,一つの代表的な分野をなしてきた. 以上の事実を土台にして,基礎の細菌学領域から考えてみると,感染症の場合臨床サイドからの科学的な追求と併せて,起因菌の決定とその推移,菌数の動きの科学的た追求が行われている領域にして,はじめてすぐれた感染症の分野と申すことが許されるであろう. UTIは,比較的菌検索が容易な為,その起因菌の決定が厳重に行われ,細菌学の分野と称して差支えない. 臨床経験をある程度重ねた医師が,再び細菌学分野で修練を終え,clinical microbiologist として誕生し,ベッドを持ちながら感染症の臨床を担当している欧米の組織が吾が国に導入される日の早いことを期待したい. 特にこれらのドクターが病院勤務をしつつ,clinical microbiologyの講義と実習を担当している実情は注目に価する.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1979-09-20
著者
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