不混和微粒子の上昇・沈降に励起される流体運動 : 微粒子を含むマグマの対流
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概要
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不混和微粒子と粘性流体とが密度差により重力分離する場合に励起される流体運動について理論的に考察した。まず二相からなる混相流体の基礎方程式系を新しく導いた。特に二相の相対運動の効果をあらわに取り入れた。線形安定論の結果, 微粒子が一様に分布する状態は, 微粒子体積分率の無限小振幅擾乱に対して中立安定であることが分かった。そこで有限振幅の微粒子擾乱を与えた場合について2次元非定常非線形数値解析を行い流れの時間変化を示した。無次元数や境界条件の違いが, 流れのパターン選択, 流れの持続性, 非線形性に与える影響について調べた。微粒子対流の一般性を理解した上で, 気泡や結晶などの微粒子を含むマグマ対流へ応用した。マグマと微粒子の分離が素早い場合, マグマ溜まり対流は励起されない。これに対し, 分離が遅い場合にはマグマ溜まり全体が対流したり微粒子を多く含むプリュームが発生し, マグマの鉛直方向への混合が促進される。
- 1996-09-20
著者
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