環太平洋地域の変動帯の砂岩に認められる組成変化とグローバルな環境変化
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概要
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日本ならびに北米西岸地域やニュージーランドなど, 環太平洋地域の変動帯の砂岩に認められる組成変化の特徴を検討した。特に, 砂岩組成のうち, 岩石片の相対量の時代的変化に注目した。岩石片の相対量の増減は, 堆積盆での堆積速度の増減や, 火成活動に伴う火山岩片の供給量の増減に対応している。特に中生代以降, これらの変動は海洋プレートの運動に支配されてきている。さらに, 環太平洋地域の変動帯の砂岩には, グローバな海水準変動や, スロトンチウム同位対比ならびに砕屑物や火山物質の供給量の変化など, グローバルな物質量の変動とたいへんよく類似した変動が認められる。本来, これらグローバルな環境変化も基本的にはプレート運動に大きく支配されていると考えられるため, 中生代以降世界で最も大きい沈み込み帯として発達してきた環太平洋地域の変動帯の砂岩の組成変化に, こうしたグローバルな環境変化に対応した変動が記録されているのであろう。
- 日本地質学会の論文
- 1992-03-20
著者
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伊藤 慎
千葉大学・教養部
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伊藤 慎
千葉大学教養部地学教室
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伊藤 慎
Geological Institute College Of Arts And Sciences Chiba University
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- Geology of Holocene Barrier Island Systems, Richard A.Davis, Jr.,Editor, Springer-Velrag, Berlin, 1994, 464p., ISBN3-540-56964-2
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