みかぶ緑色岩類の埋没変成作用
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概要
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みかぶ緑色岩類は,三波川変成作用を受けているが,それ以前に古生代の海底で埋没変成作用(海洋底変成作用)を受けていることが判明した。四国東部のみかぶ緑色岩類の層序は,下位から上位へ,はんれい岩質角礫岩(オリストストローム)層-下位枕状溶岩層-上位枕状溶岩層という順序である。下位枕状溶岩層は,上位枕状溶岩のフィーダーである岩脈とそれと同源のキュームレイトに切られている。また,下位枕状溶岩の一部は海底地すべり堆積物(オリストストローム)で,その中に片状角閃岩々塊を含んでいる。はんれい岩質角礫岩層,片状角閃岩々塊は再結晶した褐色〜緑色角閃石を含む。下位柱状溶岩は,火山岩の構造・組織を残しながら完全に再結晶して,緑泥石,緑閃石,チタン石の集合となっている。上位柱状溶岩,下位枕状溶岩層を切る岩脈およびキュームレイトは,微弱な再結晶作用を受けているにすぎない。四国東部における緑色岩類の層序は,埋没変成作用の変成度に関して,下位から角閃岩相-緑色片岩相-微弱な変成作用(恐らく沸石相)に対応している。この埋没変成作用の時期は,はんれい岩の角礫化(オリストストロームの形成)以後で上位枕状溶岩層の噴出以前であった。はんれい岩質角礫岩層中のはんれい岩塊および下位枕状溶岩層中の片状角閃岩々塊は,三波川-みかぶ帯の基盤岩の一部である。
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