西南日本愛媛県城川町のトゥファ堆積物の形態と内部組織の起源
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概要
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愛媛県城川町のトゥファ堆積物の形態と内部組織は, 沢での局所的な水流・地形・生物的条件に支配されている.トゥファは水流の強い場所に堆積し, その形態は5つのタイプに分類され, タイプ間の違いは初生的な基盤地形に関係している.トゥファの内部組織は水流と生物的条件に支配されている.明瞭な縞状組織は絶えず水流に覆われ, 表面にシアノバクテリアが繁茂する場所で発達する傾向があり, 逆に, 断続的な水涸れやコケ類の繁茂は縞状組織の発達を妨げる.トゥファの縞状組織は夏期に堆積する明色で緻密な層と冬期に堆積する暗色で空隙質な層の繰り返しによるものであり, この組織的特徴は水温・Ca濃度・水流に関連した方解石沈殿速度の季節的変化によるものと思われる.縞状組織は"年輪"であり, これを用いることで, 古気候解析が可能になるであろう.
- 2000-06-15
著者
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狩野 彰宏
Department Of Earth And Planetary Systems Science Graduate School Of Science Hiroshima University
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狩野 彰宏
Department Of Earth & Planetary Systems Science Faculty Of Science Hiroshima University
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藤井 秀憲
Nippon Total Science Co. Ltd
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狩野 彰宏
広島大学理学部地球惑星システム学科
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