千葉県九十九里浜の現世前浜堆積物に見られるMacaronichnus segregatis様生痕とその形成者
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概要
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千葉県九十九里浜の前浜堆積物中から,多数のMacaronichnus segregatis様生痕を発見した.この生痕は,剥ぎ取り試料面上において高さ2-3mm,幅3-50mmほどの円形もしくは長楕円形を成し,内部が細粒砂サイズの無色鉱物で充填され,その周囲に磁鉄鉱などの有色鉱物が濃集することが特徴である.この生痕ときわめて似た特徴を有する本邦第四系産生痕化石Macaronichnus segregatisの形成者については,従来,小型等脚類ヒメスナホリムシとするものと,オフェリアゴカイの様なゼン虫類とするものの2つの説があった.この生痕が産する堆積物からは,ヒメスナホリムシは一切採集されなかったものの,オフエリアゴカイ科の多毛類であるEuzonus sp.が多数採集された.このことから判断すると,このM.segregatis様生痕の形成者は,オフェリアゴカイ類と判断して良いだろう.
- 日本地質学会の論文
- 2004-09-15
著者
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