クーロスッタト法による歯科用銀合金の腐食速度の評価
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概要
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近年, 工業界では分極抵抗(Rp)の測定法の一つであるクーロスタット法が合金の腐食速度評価法として応用されている.腐食速度(I_<corr>)は次の式で表すことができる.I_<corr>=K・Rp(Kは定数)本研究の目的は腐食抵抗性の高い歯科用合金の腐食速度を評価する方法としての本法の有用性を調べることである.6種のAg-Pd合金, 4種のAg-Pd-Cu合金, Ag-Cu合金, 4種の市販合金を用いた.試験溶液はリンゲル液を塩酸でpH=2に調整したものを用いた.分極抵抗の測定期間は20, 40, 60日とした.試料の重量減少量と溶液の原子吸光分析から腐食速度を求めた.腐食速度は分極抵抗に反比例し, 2.3×10^<-8>〜4.4×10^<-5>(A/cm-2)の範囲となり, K値は13.5〜25.9mVの値となった.K値の平均は20mVとなり, クーロスタット法で分極抵抗を求めることによって迅速に腐食速度を評価することができた.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1988-09-25
著者
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