数種のレジンモノマーがStreptococcus mutansのGlucosyltransferase活性に及ぼす影響

概要

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本研究では数種のモノマーがStreptococcus mutansのグルコシルトランスフェラーゼ活性に及ぼす影響について検討した.なお, グルコシルトランスフェラーゼ活性は不溶性グルカンに取り込まれた^<14>C-グルコースの放射能を判定することにより評価された.カリウム・リン酸緩衝液(KPB)に浸漬して得た重合レジンの溶出液は不溶性グルカン合成を促進した.レジンモノマーのなかではジ-, トリ-, テトラ-エチレングリコールジメタクリレート(2G, 3G, 4G), Bis-GMAおよびUDMAが不溶性グルカン合成を賦活した.しかし, エチレングリコールジメタクリレート(1G), ポリエチレングリコールジメタクリレート(9G, 14G)およびMMAは不溶性グルカン合成を抑制した.特に, 3Gは不溶性だけでなく可溶性のグルカン合成も増加させた.さらに, 1GとBis-GMAから構成される試作複合レジンの溶出液は3GとBis-GMAをベースとしたレジン溶出液と比較して, 不溶性グルカンを減少させた.以上の結果から抗酵素性モノマーを使用することで歯垢付着を抑制するような複合レジンを開発する可能性のあることが示唆された.
1988-09-25