PN-4 象牙質接着システム「インパーバボンド」の開発 : 酸処理プロセスの有無による歯質接着性および辺縁封鎖性について
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概要
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近年、象牙質とコンポジットレジンの接着に関して、接着性を促進させる素材効果による各種ボンディング材が開発されている。それに伴い、象牙質接着性に大きな進歩がみられる。演者らは、象牙質組織内における「水」の存在を重視し、グラスアイオノマーの接着概念を導入した新世代ボンディングシステム「インパーバボンド」を開発した。インパーバボンドは、象牙質に対し、酸処理のプロセス無しで18.6MPaを越える強力な接着強さを示し、その接着機構上、管間象牙質面での化学的親和性を伴なう「接着界面層(1〜2μm)」によるものであり、従来の「樹脂含浸層」とは本質的に異なることを見い出し、第10回接着歯学会にて報告した^<1)>。今回は、インパーバボンドの象牙質組織内部への優れた浸透拡散能に注目し、試作コンディショナーすなわち酸処理プロセスの有無による、象牙質およびエナメル質に対する接着強さおよび象牙質窩洞、根面窩洞、エナメル質全周窩洞、歯頸部皿状窩洞における辺縁封鎖性を評価したので以下報告する。
- 日本歯科理工学会の論文
- 1992-09-10
著者
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