リン酸塩系高温埋没材の試作と理工学的諸性質について
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概要
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リン塩系埋没材の欠点を改良するためにリン酸塩系高温埋没材を試作し, 理工学的諸性質について検討することを目的とした.試作埋没材は耐熱材のSiO_2(石英, クリストバライトの混合物)を80wt%を基材として結合材であるNH_4H_2PO_4とMgOの割合を10〜15wt%に変化されて理工学的諸性質(流動性, 初期硬化時間と発熱温度, 圧縮強さ, 硬化膨張, 加熱膨張)と硬化反応について検討した.その結果, 試作したリン酸塩系高温埋没材は, 耐熱材SiO_2(石英40〜45wt%, クリストバライト35〜40wt%)を80wt%, 結合材であるNH_4H_2PO_4とMgOの割合が10〜13:7〜10wt%のとき, 硬化時間, 硬化時の発熱温度, 圧縮強さ, 硬化膨張, 加熱膨張の理工学的諸性質が優れていた.結合材のNH_4H_2PO_4を15wt%, MgOを5wt%, にすると硬化時間は遅延し発熱温度はなく, 圧縮強さ, 硬化膨張, 加熱膨張, 表面粗さには対して大きく影響を及ぼす.結合材であるNH_4H_2PO_4と10〜13wt%, MgOの量が7〜13wt%まではNH_4MgPO_4・6H_2Oの結晶が認められたが, NH_4H_2PO_4が15wt%, MgOの量が5wt%になると(NH_4)_2MgH_2(PO_4)_2・4H_2Oの存在が確認された.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1994-03-25