鋳型の通気性がチタン鋳造に及ぼす影響
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概要
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この研究の目的は, 通気性の異なる2種類のチタン専用リン酸塩系埋没材を使用して, 全方向加圧型鋳造機で鋳造を行い, 鋳込率を評価したものである.純チタンにはJIS第2種のインゴットを使用した.鋳込率の測定にはメッシュパターンを用い, 計測法により鋳込率を算出した.鋳造機には全方向加圧型鋳造機(AUTOCAST-HC III GC社)を使用した.埋没材には2種類のリン酸塩系埋没材を使用し, 埋没条件, 焼却条件はメーカー指定条件に従った.鋳型温度は室温で鋳造を行った.鋳型直径が鋳込率に及ぼす影響についてはT-INVESTの場合, 25, 30, 35, 40, 45, 55, 65mmの7条件で, T-INVEST C & Bについては25, 35, 45, 55, 65mmの5条件について, 鋳型底面からパターンまでの距離の影響についてはT-INVEST, T-INVEST C & Bの両埋没材ともに10, 20, 30mmの3条件にて鋳造を行った.その結果, T-INVESTでは, 鋳型直径を増加した場合に90%以上の高い鋳込率を示した.鋳型直径と鋳込率の間には危険率1%で正の相関関係が認められた.また, T-INVEST C & Bでは鋳型直径の変化にかかわらず90%以上の高い鋳込率を示した.一方, 鋳型底面からパターンまでの距離の変化については鋳込率に大きな影響は与えなかった.これは鋳型底面と鋳造機の鋳型保持テーブルの不均一な接触により引き起こされたものと考えられる.これらの結果により, 全方向加圧型鋳造機における純チタンの鋳造性は, 鋳型の通気性が低いほうが鋳込率は高くなることが明らかとなった.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1995-05-25
著者
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