チタンの接合 : 第1報 棒状展伸材試片の溶接
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概要
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4種類の溶接法により径2.0mmのJIS2種チタン展伸材ワイヤーを溶接し,引張試験により4群の溶接後の接合強さを比較検討した.また,JIS2種チタン材を用いて同径の試片を製作し,A/1溶接実験群で用いた溶接法により溶接し,データーを採取して比較検討した. A.レーザー溶接実験群 A/1:溶接補助材を介在しないレーザー溶接実験群 A/2:溶接補助材を介在したレーザー溶接実験群 B.Tig溶接実験群 B/1:溶接補助材を介在しないTig溶接実験群 B/2:溶接補助材を介在したTig溶接実験群 なお,各群とも溶接はレーザーによる仮止め溶接後に行った. 本実験により次述の事項が明らかにされた. 1. A/1群の接合強さは他の実験群に比べ有意に高値を示し,安定した強度を示した. 2. Tig溶接に比べ,レーザー溶接では溶接後の接合強さが強く,データのばらつきも小さかった. 3. レーザー溶接群およびTig溶接群内で,それぞれ溶接補助材を介することなく溶接を行った実験群と,溶接補助材を介在させ溶接を行った実験群間で溶接部の引張試験強度を比較したところ,前者の差が明らかに大きかった.これによりTig溶接では接合部分でチタンがより広範囲にかつより均一に融解されていることが示唆された. 4. 溶接後の変形を防止するためには,持具を用いて試片を強固に固定しておく必要がある. 5. 強固な接合強さを得るためには,溶接面どうしを可能な限り密着させておくことが有効であった.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1999-09-25