塩化ナトリウム, フッ化ナトリウムおよびヨウ化カリウム溶液中で放電陽極酸化処理したチタン板は口腔細菌に対して抗菌性を獲得する
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概要
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NaCl, NaF, KI水溶液をそれぞれ電解液に用いてチタン板に陽極酸化処理を行い, 得られたチタン板(Ti-Cl板, Ti-F板, Ti-I板と略記)の口腔細菌に対する抗菌効果と, その持続性について検討した.陽極酸化処理後のチタン板表面を電子顕微鏡(SEM)で観察した結果, 各板の表面性状は異なっていた.X線回折(XRD)分析とX線光電子分光(XPS)分析の結果, 処理後のチタン板表面はチタン酸化膜で覆われていることが確認された.また, 蛍光X線分析とXPS分析により, 処理後のチタン板からはそれぞれCl, F, Iが検出された.抗菌試験の結果, Ti-Cl板, Ti-F板, Ti-I板は口腔細菌(8菌種8菌株)および唾液細菌と歯垢細菌に対して, 明らかな抗菌活性を示した.その抗菌力の強さは, Ti-Cl板, Ti-F板, Ti-I板の順であった.また, Ti-Cl板の抗菌効果は, Ti-Cl板を8週間減菌蒸留水中に浸漬した後も保持されていた. これらの結果から, NaCl, NaF, KI水溶液中で陽極酸化処理したチタン板は, その表面にCl, F, Iの各成分を取り込むことにより抗菌性を獲得し, プラーク付着の抑制および防止に十分な効果を期待できることが示唆された.
- 日本歯科理工学会の論文
- 2001-01-25
著者
-
五十嵐 武
昭和大学歯学部口腔微生物学講座
-
池田 祐子
昭和大学歯学部歯科理工学教室
-
五十嵐 武
昭和大・歯・口腔微生物
-
五十嵐 武
昭和大学歯学部口腔微生物学教室
-
五十嵐 武
昭和大学歯学部口腔細菌学教室
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