重合性基を置換した新規芳香族系シランカップリング剤の耐水性

概要

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シリカ/レジン界面のポリシロキサン層の接着強さと耐水性を高めるために,3-(n-methacryloyloxyphenyl) propyltrimethoxysilane (n=2, 4;o-MBS, p-MBS)と3-(3-methoxy-4-methacryloyloxyphenyl) propyltrimethoxysilane (M-p-MBS)のような疎水性のフェニル基を含む新規シランカップリング剤を合成した.o-MBS, p-MBSとM-p-MBSで処理したガラス面に対するコンポジットレジンの引張接着強さやガラス面に対する混合モノマー(50%Bis-GMA,50%TEGDMA)の接触角を測定し,3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(3-MPS)処理と比較した.p-MBSとM-p-MBSで処理したガラス面に対するコンポジットレジンの引張接着強さは3-MPSと同等であったが,水中1年後とサーマルストレス負荷後においても初期強度からの有意な低下は認められなかった.一方,o-MBSの強さはガラス板とのぬれが悪く,3-MPSと同等であった.p-MBSとM-p-MBSで処理したガラス面に対するモノマーの接触角は,3-MPSと比較して有意に低い値であったが,o-MBSは有意に高かった.以上の結果から,o-MBSとM-p-MBSは接着耐水性をもつカップリング層の生成に有効であった.
日本歯科理工学会の論文
2005-01-25