歯科用Ni-Cr系合金の凝固収縮ならびに熱収縮
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概要
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歯科用高融点合金の鋳造収縮を検討するために, 静滴法に基づく測定装置を使用して, 純ニッケル, Ni-Cr二元合金, Ni-Cr-M(M:Si, Cu, Mo, Mn)三元合金および市販鋳造冠用Ni-Cr系合金の密度を室温から約1, 700℃までの範囲で測定した.得られた密度変化より, 歯科用Ni-Cr系合金の凝固収縮率ならびに熱収縮率を求めた.凝固時における体積収縮率は, 純ニッケルで4.91vol%, Ni-Cr二元合金では3.96〜5.79vol%でありCr含有量との相関は認められなかった.また, Ni-Cr-M三元合金では, 2.70〜5.46vol%であり, Ni-Cr-Si合金の凝固収縮率はSi含有量の増加と共に低下した.さらに市販鋳造冠用Ni-Cr系合金では2.59〜4.69vol%であった.これらの凝固収縮率は結晶成長様式に依存する合金内部の空隙量に支配され, 凝固時におけるデンドライト結晶の成長は合金内部に多くのミクロポロシティを発生させて, 凝固収縮率を抑制すると考えられる.また, 歯科用Ni-Cr系合金の固相点より室温までの線収縮率は2.07〜2.78%であり, 歯科用金合金にくらべてきわめて大きい値を示した.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1985-09-25
著者
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