BPO-アミン系即硬性レジンと歯質との接着 : 4-META系ボンディング剤の組成と接着性の関係

概要

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4-メタクリロキシエチルトリメリット酸無水物(4-META)は, レジンのエナメル質, 象牙質, 歯科用合金への接着性を促進させる優れたモノマーである.しかし, この-4-METAをBPO-アミン系即硬性レジンに応用すると, 4-METAとアミンが電荷移動錯体(CTコンプレックス)を生成するために, 使用することが困難であった.そこで著者は, 4-METAをボンディング剤に利用する系で, BPO-アミン系即硬性レジンの歯質への接着性を向上させるための研究をおこなった.その結果, A液:MMA中に2wt%4-META, 0.5wt%BPO, B液:MMAとエタノール混合液中に2wt%p-トルエンスルフィン酸ナトリウムを添加した二液性4-META系ボンディング剤が良好な接着性を示し, 即硬性レジンとの接着では, 酸処理エナメル質に18MPa, 10-3処理象牙質には7MPaの接着強さを示した.またコンポジットレジンとの接着では, 酸処理エナメル質には17MPa, 10-3処理象牙質には3MPaの接着強さを示した.これは, 市販のクリアフィルニューボンドを用いて接着した場合と同等の値であった.
1985-11-25