歯科鋳造用合金とリン酸塩系埋没材の熱膨張に関する研究
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概要
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3種の市販リン酸塩系埋没材の練和時間と練和液を変えて,円柱状試片を作り,示差熱膨張計にて室温より900℃迄の熱膨張を測定した。また18種の歯科鋳造用合金をアルゴン雰囲気下にて融点より100∼250℃低い温度迄の熱膨張を測定し,合金の融点における熱膨張値をGruneisenの公式にもとづいて推定した。埋没材は硬化膨張が小さいと〓型の変形を起こすことがないと言われているが,硬化膨張が小さく900℃における熱膨張が最大であったのは,Platoritの20%グリセリン水溶液60秒練和の場合で,熱膨張値は1.31±0.02%であった。埋没材と合金の熱膨張を比較すると前者のみで後者を十分に補償することができないのは明らかである。どの埋没材も硬化膨張を小さく抑えた場合,今回の練和条件下では鋳造体は小さくなるものと思われる。
- 日本歯科理工学会の論文
- 1986-06-25