セメント合着ピン : 保持力と保持面積のin vitroにおける関係
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概要
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6種の直径の異なるピンをそれぞれのピンの直径よりも0.1mm大きい直径のピンホールを持つ,5種の厚みの異なるアクリル板に標準稠度で練ったリン酸亜鉛セメントを用いてセメント合着をした。24時間後に引っ張り試験を行い,セメント合着ピンの保持力と保持面積との関係について調べた。さらにピンとピンホールの表面をSEMにて観察した。引っ張り試験を終えた試料を観察するとセメントは常にピンに付着しており,セメントとピンホールの界面にて剥離を生じていた。引っ張り試験の結果,同じ直径のピンのグループでは保持面積が保持力に比例したが,ピンの直径が異なるとそれに対応したピンホールの表面の粗さが異なり,そのために単位面積あたりの保持力が違ってきて保持面積が同じでも保持力が異なるという結果となった。まとめ1)保持力は保持面積に比較する。2)表面粗さが保持力に大きく影響する。
- 日本歯科理工学会の論文
- 1986-06-25